TBSにM&A(エムアンドエー)を仕掛けた楽天
M&A(エムアンドエー)とは?
「Mergers and Acquisitions」で(合併と買収)という意味。資本の移動を伴う、企業の合併と買収を指した言葉。
M&Aを実施すると、株主に大きな影響が出るので、M&Aに反対する株主がいる。そして株主には「株式買取請求権」という特例が認められる。
株式買取請求権とは?
保有株式を、会社へ買い取らせる権利のこと(会社法第116条)
楽天 VS TBSの、株式買取請求事件とは?
まず楽天がTBSに対して、敵対的買収を仕掛けた。
楽天は、2005年10月に、株式会社東京放送(TBS)に対して、15%超の株式を公開買付けした。表向きには、楽天による経営統合の提案だった。しかしTBS側は反発しており、結果的に、敵対的買収となった。
楽天の狙いは、将来的にTBSの経営権を取得しようと考えていた。そこでTBSは、楽天の買収を阻止するべく、2009年4月、テレビ放送免許を「株式会社TBSテレビ」という別会社に引き継いだ。
そしてTBSは「認定放送持株会社」へと移行する、吸収分割というM&Aを実施した。
放送法により、認定放送持株会社というのは、特定株主が総議決権の3分の1以上を保有できない。つまり、このM&Aが実行されると、将来的に楽天がTBSの経営権を掌握するのは不可能となる。
そこで楽天は、TBSの経営権の掌握を諦め、TBSへすべての保有株式の買い取りを請求した。しかしTBS側はそれを認めず、株式の買取価格については、合意に至らなかった。
株式買取請求は、当事者間で合意できなかった場合、会社法によって裁判所に申し立てる。そして「株式買取請求訴訟」が起きた。
この裁判の結果、楽天側の訴えは認められず、敵対的買収は失敗に終わった。そして楽天は、TBSに対し、1株当たり1,294円で保有株式を売り、株式売却だけで約650億円の損失を受ける結果となった。
本来の目的であるTBSの経営権掌握も不可能となり、楽天の買収計画は完全に失敗に終わった。
なぜTBS買収は失敗に終わったのか?
それは「放送法」という「買収を阻止する壁」があったからと推測される。
もし放送法が適用されないような業種企業の買収であれば、きっと願いは叶ったに違いない。
コメント
[…] 楽天⇒TBSの株を買おうとしたが、失敗。(⇒なぜ楽天はTBSの買収に失敗したのか?) […]